天気予報では☂マークがついたり消えたで、スタッフとしては観察会が開催できるかヤキモキしましたが、本日(10/4)無事に観察会が実施できました(ちょっと小雨だったんですけどね)。その観察会の様子をご報告します。
今回のテーマは「秋の植物(花)と他の生きものとのかかわり」です。花がいっぱい咲いて観察によい季節になりましたので、花を楽しむところから一歩踏み込んだ観察をじっくり楽しみました。



まず向かったのは西久保湿地。稲刈りを明日に控えた田んぼの間を通って進むと、道脇にはユウガギクやツユクサ、ゲンノショウコ、ツリフネソウなどがこんもりと咲いています。いろいろ咲いていますが、中でもじっくり観察したのが、ツユクサとツリフネソウ。どちらも虫に花粉を運んでもらうタイプの花で、そのための工夫がすごいのです。
ツユクサはルーペで拡大しながら、3つのタイプもあるおしべなどを観察。みなさんからは、へ~!身近な花だけどこんな工夫があったなんてね、思っていたのと全然違った、といった声が聞かれました。おうちの側でもぜひ観察してみてください。
一方ツリフネソウは、湿地ならではの植物。見るのは初めてという方もいらして、みなさん興味津々。花は濃いピンク色でしっぽのようにくるりと巻いた部分が特徴的です。この部分に蜜があります。この、花の奥の奥に隠した蜜の訳は、ツリフネソウにとって一番来てほしい、あるハチとの切っても切れない関係がありました。それを確かめたくて、今回は手作りハチ模型を花に入れて実験してみましたね。花とハチの長~い進化のなかから生まれた深~いつながり、垣間見えたでしょうか。



あいにく小雨が降ったりやんだりで、今日はハチもチョウも少なめでした。本当は、クマバチがツリフネソウにやってきて蜜泥棒していく様をみていただきたかったのですが、叶わずでした。しばらくツリフネソウは咲いていますので、ぜひ見に来てください。


最後に観察したのは、案内所へ戻った先にさいているノダケという花。この花の色は赤紫のような黒紫のような目立たない色です。でも花の匂いを確かめた方から、なんと!「焦がしキャラメルみたいなにおい!」と言われ、これには確かめずにはいられませんでしたね(笑)。
そんなノダケが大好きな虫が、待つこと数分でやってきました。スズメバチです。獰猛そうなスズメバチが花の蜜をなめるイメージは薄いかもしれませんが、ノダケにとっては大切な送粉者。スズメバチの意外な一面が見られましたね。



今日観察した花や虫のかかわりは、秋のほんの一コマに過ぎません。緑の森博物館の自然にはもっともっとたくさんの植物と他の生きものとの関わりがあって豊かな里山の自然が成り立っています。ぜひ何度も通ってたくさんの生きもの同士のつながりに触れていただけたらと思っています。またぜひお出かけください。お待ちしています。
(さかもと)