冬支度をする生き物たち

今回の自然情報は、現在行っている「博物館実習」の大学生が書いてくれました!
学生さんの新たな視点や紹介文などを是非ご覧ください!

森を歩くと、足元にたくさんの落ち葉が広がっていました。
カサカサと音を立てて踏みしめる度に、秋が深まっているのを感じます。
11月に入って、空気は少し冷たく、息をすると頬がひやりとしました。木々の間からは、鳥の鳴き声が聞こえてきます。
姿は見えないけれど、近くの茂みでガサガサ音がして、「そこに生き物がいるんだ」と思うと、なんだか嬉しくなりました。
ふと顔を上げると、ジョロウグモが巣を張っていました。

光の角度で糸がきらりと光り、小さな生き物たちも一生懸命生きてるんだと実感しました。
少し進むと、寒さからか、まるで人間のように集まって暖を取っている生き物が!?

この昆虫は、ヒメジュウジナガカメムシというマダラナガカメムシ科の昆虫です。なぜ集まっているのでしょうか。
これは、集団で集まることにより、天敵から身を守るための赤と黒の警戒色を強調するため。
また、越冬場所を求めて集団で移動するためです。つまり、暖を取っているというのはあながち間違いではないのです。

冬支度をするのはクモや昆虫だけではありません。冬に向けて実をつけているゴンズイ(左)とウメモドキ(右)の二種類の植物を紹介します。

果実は袋果で長さ1cmほどの大きさで果皮は肉質で厚く、9〜11月に赤く熟します。
熟すと写真のように裂開し、光沢のある黒い種子が1〜2個顔を出します。
ウメモドキの実は赤く熟し、晩秋から初冬にかけて葉が落ちた後も枝に実が残るためよく目立っています。

最後に本日観察できた生き物たちをご紹介します。

現在は、ご紹介した冬ならではの生き物はもちろん、まだ暖かさを感じられるような生き物たちの姿も観察することができます。私たち人間も暖かい格好やヒーター、もしくはクリスマスの準備など、冬支度をして、観察しに行きましょう!
ご来館お待ちしております。

実習生 まさやん