30周年記念イベント「チョウの冬越し一斉調査」

昨年7月に30周年を迎えたみどりの森博物館。
狭山丘陵の雑木林を守り、そこで自然とふれあい、
それによって自然を守ることをみんなに考えてもらう施設です。
この里山に生息する代表的な生物をみんなで調べてみようというイベントを
記念イベントとして、2本企画しました。

1月31日土曜日、その一つ「チョウの冬越し一斉調査」を行いました。
寒い時期のこのイベントにたくさんのお申込みをいただき、
最終的には24人の方に参加いただきました。

今回のメインターゲットのチョウは、オオムラサキ。
成虫は、クヌギやコナラの樹液を吸い、幼虫は、エノキの葉っぱを食べます。
クヌギやコナラは薪炭材として、エノキは一里ごとの目印として植えられてきた木で、
どちらも里山の生活と密接に結びついている木なのです。

オオムラサキは、エノキの根元、落ち葉の裏などで幼虫の姿で越冬しています。
また、オオムラサキ以外にも近い仲間のゴマダラチョウやアカボシゴマダラといった
チョウも同じように越冬しており、3種の幼虫が同じ木で見られることもあります。

さて、イベントの様子です。
最初は、多目的室でイベント趣旨やチョウの冬越し方法、調査方法などを確認。
葉っぱ型に切った紙を使って、幼虫さがしの模擬体験もしました。

多目的室から展望広場まで、冬の自然をちょっと観察しながら移動。
凍った池、花がぶらさがっているハンノキ、メジロの声、
キツネやタヌキの獣道などをみんなで見て歩きました。

展望広場では2つのチームに分かれ、2本のエノキを一斉調査。
木から1メートルの範囲をぐるっと囲み、落ち葉を一枚一枚めくって、
徐々に幹に近づいていきながら幼虫を探していきます。地道な作業です。

一枚手に取っては裏表を確認、いなかったら葉っぱを手にしたビニール袋に入れます。
作業開始時はみんな期待とやる気に満ちて手が進むのですが、
北風が当たる展望広場、次第に動きがゆっくりになっていきます。
5分経ち、10分経ち、20分経ち…
1匹見つかれば、みんなも勇気が出て探しやすくなるのですが、なかなか見つかりません。
時々、カメムシやクモ、ガの幼虫などが出て少しだけ勇気をくれますが…

40分ほど経って心が折れそうになったので、決断。
展望広場はあきらめ、もう一つの調査地に移動することにしました。
移動した先は、展望広場と違い、ぐるっと森で囲まれてぽっかり開けた場所なので、
北風の影響を受けにくい場所です。
今度は3チームに分かれて探します。

捜索を再開して数分後、「あっ、これだ!」と待望の声が上がりました。
お父さんが持ち上げた葉っぱに、確かに角のある幼虫がついています。
幼虫検索表で調べてもらうと、ゴマダラチョウの幼虫でした。

そこからしばらくして、別のエノキを捜索していたチームからも発見報告。
付き添っていたスタッフが見つけて、こちらもゴマダラチョウでした。
更にもう1匹、同じ木から今度は参加者がゴマダラチョウを見つけて、全体では計3匹の幼虫が見つかりました。

ルーペを使って、おしりの形や突起の本数などよく観察をして、
幼虫は元いた場所に戻します。

今回、オオムラサキの幼虫は見つかりませんでしたが、夏に成虫の姿は何度か見ているので、
きっとこの森のどこかにはいるのだと思います。
こうした調査を継続していくことで、自然の変化を捉え、
この森を知って守っていくことに繋げていく一歩になればと思います。
そんな思いを込めて、最後はみんなに感謝状を渡しました。

今回、参加して寒空の下、協力してくださった皆様、どうもありがとうございました。
また、成虫が舞う時期にも、ぜひ来てくださいね。

なお、今回のイベントには、テレビ埼玉の取材が入りました。
「いまドキッ!埼玉」2月7日放送予定です。
みんなが頑張った様子を、ぜひご覧ください。

 インタープリター さかでぃ