ヤマガラの冬支度

とても暑かった夏が過ぎ、一気に気温が下がり少し肌寒い日が続いていますね。
みどり森は秋が深まってきています。
前回は、秋の植物をご案内したので今日は野鳥に目を向けてみます。

緑の森博物館案内所の前には1本のエゴノキが生えています。
この木では一年を通して様々なことを観察できます。
春、真っ白で良い香りの花を咲かせ、多くのハチたちが蜜をめあてに集まります。
初夏、エゴツルクビオトシブミが葉を巻いた揺籃を作ります。
真夏、エゴヒゲナガゾウムシが膨らんだ実に産卵をしてまわります。

そして秋
ヤマガラが頻繁にエゴノキの実をついばみに来ます。
 

実を一つ咥えては近くの枝にとまり、両足で実をしっかりつかんで
くちばしで実をつつきます。
緑の果肉を剥ぎ取り、中の黒い実を取り出しました。

そこで食べるのかと思いきや…
その実を加えて、林の奥へ飛んで行ってしまいました。

少しするとまたエゴノキにヤマガラが飛んできて同じことを行います。
どうやら近くの林に冬のためにエゴノキの実を貯食しているようです。

よくその様子を観察していると、2羽が同じように実を運んでいます。
どうやらつがいのようです。
2羽はせっせとエゴノキの実を林の奥に運びます。
多い時は1分間に3往復ほどしていました。
賑やかに案内所の前で実を運んでいたかと思うと声がしなくなり、
しばらくするとまた、声が聞こえてエゴノキの実を運び出す。

きっと、案内所の前以外にも実が取れるポイントがあって、
それを順番に回っているのかもしれません。

寒い冬が来る前に、たくさんの実をたくわえられるといいですね。
案内所の前ではしばらく、この光景を観察することができるかもしれません。

 

青野