先日、ちょっとびっくりしたことがありました。
それは閉館時のこと。
案内所の外にいつも出している展示物があり、毎日閉館時には屋内にしまっています。
展示物は森で拾ったものや秋冬にみられる野鳥のバードカービングなど。ヤマガラやウグイスなどのバードカービングを屋内へ運び込んでいると・・・・、
おや? ウグイスが何か変! 何かついてる!
なぜかウグイスの嘴に羽化したばかりの黄色い蛾がついてるではありませんか。
いったいこの子はどこから出てきたのだろう?そう考えて、ハタと思いついたことが。
それは、展示物の中に森で拾った蛾のまゆがあったことです。
蛾のまゆが入ったケースをのぞくと、案の定、ついさっき出ました、という新鮮な印(出た時に蛾が排泄した液体がシミになっている)がついたまゆを発見!
拾ったものは全部中身がカラだと思っていたのですが、一つだけ中身のあるものが紛れ込んでいたのですね。
蛾の正体はウスタビガ。
まゆから出たものの体を固定する枝が見当たらなくて、さぞ困ったでしょう。
展示台を歩き続け、ようやく隣の展示物であるバードカービングのウグイスに登って、はねを伸ばし始めたのでした。
翌朝、このウスタビガは無事に完全な成虫の姿になって、午後、森に飛んでいきました。
ウスタビガは秋に羽化します。まゆはきれいな緑色で、葉を落としきった冬枯れの雑木林によく見つかります。これを見つけるのは、冬の森歩きのちょっとしたお楽しみです。
(さかもと)