森歩きは玉虫色

ここ数日気温の高い日が続きますが、森の中をゆっくり歩く分には、気持ちよい気候です。梅雨に入る前で、飛んだり歩いたりしている生き物にもたくさん出会うことができます。

今日ははじめに田んぼを訪れました。最近の田んぼでよく目につくのはシオカラトンボたち。その中に一匹だけ、羽化したばかりとみられるアキアカネがいました。これから続々と羽化するアキアカネは、夏の間山などへ移動し、秋になると再び平地に戻ってきます。

水の中を覗くと、ゆっくり動くタニシや、人の影に反応して素早く逃げまわるアカガエルのオタマジャクシがいました。僅かな時間でしたが、モリアオガエルの声もしていました。

森に入っていくと至る所で出会ったのがカノコガ。鹿の子模様に透けた羽がオシャレな蛾で、最近案内所の周りでもよく見られます。今日は、足元の葉の裏に止まっているものが多かったのですが、羽の模様が目立つのですぐに分かりました。お尻同士をくっつけて交尾をしているものも多かったです。

カノコガ交尾

草花では、そろそろホタルブクロが見られるかなと期待して歩いたのですが、見つからず。でも、イチヤクソウ、ジャノヒゲ、ネジバナ、ミゾソバといった小さく可憐な花たちを見ることができました。

ママコノシリヌグイ

梅雨が近づいて湿度が上がってきたからか、キノコもポコポコ顔を出し始めていました。そんな中でも、茶色いおたまのような形のマンネンタケ、赤い泡だて器のような形のサンコタケが色も形も印象的でした。

そして、今日の散策では森の宝石タマムシに二度も会うことができました。細いササを登っているのを見て、お腹もオレンジ色に光っていることに気付きました。生きているものだけでなく、カラスなどに食べられたのか、羽だけ落ちていたり、お腹がなくなって落ちていたりもしたので、実際もっとたくさんいるのかもしれません。他に、きれいなムラサキシジミの羽やノコギリクワガタの頭なども落ちていました。

森歩きは玉虫色。歩く人の視点で様々な発見があります。皆さんも面白いものを見つけたら、ぜひ案内所にいるスタッフに教えてくださいね。

さかでぃ