2)里山 Q2【みどり森にはどんな里山環境がある?】

Q2 みどり森にはどんな里山の環境(かんきょう)があるの?

 みどり森に見られる雑木林や湿地(しっち)も、人のくらしと関わる中ではぐくまれてきた里山の自然環境です。それぞれどのような環境なのでしょうか。

 

(ア)雑木林について

  雑木林は、色々な種類の木がはえている林のことをいい、
 主に「薪(まき)・炭(すみ)」の材や、田畑で使う
 「落ち葉堆肥(たいひ)」の原料となる
 落ち葉をとるために、人が管理してきた林です。

  緑の森博物館周辺では、主に落葉広葉樹の「コナラ」や
 「クヌギ」が育てられています。
 雑木林の管理の方法や利用目的は地域によって変わります。

  ドングリから育てた木を20~25年で切り、
 薪にするための材を取ります。
 すると、翌年の春に切り株から新しい枝が
 生えてくるので、その枝を枯らさないように
 草かりなどをして育てていきます。
 その後、15~20年経ったところで育った木を切る、
 といった具合に手入れ・伐採(ばっさ)をくり返して
 管理します。

  また、落ち葉はきは、秋から冬に行われ、
 かつては農家総出の大仕事でしたが、
 農家の減少や化学肥料の普及で落ち葉堆肥が
 使われることも少なくなり、
 あまり行われなくなりました。

   現在、みどり森では、このような雑木林の管理作業を
 体験するイベントや、ボランティアの方々による作業によって、
 かつての雑木林の景観をたもつようにしています。

 

(イ)湿地(しっち)について

    湿地とは、湿気が多くじめじめしている土地のことをいいます。
   近年はうめ立てなどにより、全国的に減少しています。

    狭山丘陵では、わき水が流れる谷あいに大小の湿地がみられ、
   40~50年前までは田んぼとして利用されていました。現在は、
   ヨシ原となっている湿地ですが、多くのきちょうな生きもののすみか
   になっています。
    また、一度は放置された湿地も、田んぼを復元して
   イネを育てているところもあります。

    みどり森には糀谷八幡湿地(こうじやはちまんしっち)・
   大谷戸湿地(おおやとしっち)・西久保湿地(にしくぼしっち)の3つが
   あります。このうち糀谷八幡湿地と西久保湿地には復元した田んぼがあり
   稲作を行っています。

 

 (ウ) そのほか

    みどり森の周辺には、畑が数多く見られます。里山では、畑と
   林はつながりのある環境として、ともに管理されてきました。

    また、畑で育てられている作物もさまざまで、
   大根、白菜、里いも、長ねぎのほか、さつまいもや小麦なども
   見られます。入間市の主要農産物であるお茶の畑もよく見られます。
    このあたりは昔から水利が悪かったので、田んぼよりも畑の多い
   地域でした。

    そのほかにも、里山の林として、スギやヒノキの植林地や、
   竹林、神社のまわりの社寺林などがみられます。